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あまくさ惣一郎

Author:あまくさ惣一郎


 平将門の生涯を追うと、平安時代中葉〜後半期の関東地方が、深刻なアナーキズムにつつまれていたことがわかります。東北の蝦夷との強いられた戦争。都の権門や国司たちによる過酷な搾取。
 関東の武士や民衆は、みずから汗を流して開拓した農地を守るため、立ち上がりました。それが、将門をリーダーとする大反乱です。
 将門は「新皇」と名乗り、「関東独立王国」を建設しようとしましたが、この歴史上初めての壮大な実験は、あえなくついえました。彼らの政権構想が、あまりに未熟だったからです。
 将門と坂東武者たちの見果てぬ夢。それが実現したのは、2世紀あまりのちのこと。源頼朝の登場まで待たなければなりませんでした。
 鎌倉幕府成立の本質は、武士による革命であり、働く者を社会の中心にすえる「世直し」とも言えるものでした。


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《最新記事》
46 箸墓古墳と巫女王(その1)

《ピックアップ》
日本列島と戦争 弥生時代編
【その1】
28 彼らはコメと戦争をもってやってきた
【その2】
29 縄文時代には戦争はなかった
【その3】
30 倭国乱る −弥生後期の争乱(一)−
31 北部九州の台頭 −弥生後期の争乱(二)−
33 鉄資源輸入ルートの独占 −弥生後期の争乱(三)− 
36 瀬戸内海の高い砦 −弥生後期の争乱(四)−
37 三国志と日本列島 −弥生後期の争乱(五)−

45 日本が海外に出兵する時 古墳時代編(一) 《日本列島と戦争(その4)》
44 羽生義治のゲノム
42 武家の棟梁・源頼信(後編)
41 時代区分についての覚書
40 武家の棟梁・源頼信(前編)
39 平安時代は乱世だった
38 「八幡太郎」伝説 −源義家− 《征夷大将軍・前史》
34 コメが日本の歴史をつくった
32 斉藤道三 −武・商・僧の三つの道−
27 古代・北関東王国の没落
25 崇神天皇と三輪山の蛇神
24 幻の女王国(その3)・新時代の胎動
22 古代東国の王者と「稲荷山鉄剣」
16 織田信長の実像(その3・桶狭間2)
9 八犬伝博物館のある城 

アーカイブ(過去記事一覧)

このブログでふれた本と、関連書籍の一覧


 西洋文明を追い求めた ”明治”。
 グローバルスタンダードという名のアメリカローカルに幻惑されつづける、現代の日本。

 でも、この国が圧倒的に大きな ”海外” のかげにおびえ、そして憧れたのは、近代以降のことだけではありません。
 原始・古代の日本。その西方には、中国という巨大文明がそそりたっていました。
 まだ多くの人々が竪穴住居でくらしていた時代に、中国・朝鮮から断続的に流入する高度な技術と文化の影響を受けたことが、この国の歴史をきわめて複雑なものにしました。
 
 黎明のなかに立つスーパーレディ、”幻の女王 ”卑弥呼は、中華文明に果敢に挑戦した最初のこの国の指導者でした。
 そのとき以来、この国は ”鎖国” と ”開国” の大きな振り子運動をくりかえしました。
 
 律令制期の ”日本” は、中国を模倣した ”ミニ中華帝国” でした。国情にあわない中国の政治制度を導入し、服装まで中国化しました。その様子は、明治時代の極端な西洋化にとてもよく似ています。
 
 ところが、これだけ熱心に中国化を望んだ日本ですが、それは奈良時代までのことでした。内向きに転じた平安時代の社会は、合理的な中国とは似ても似つかぬまことに奇妙な呪術的社会でした。
 
 鎖国と開国の振り子運動は、平安末期の平家政権による交易国家志向により、一時開国をめざすかに見えました。しかし、それは大きなうねりとはならず、この国は独自路線の模索にしだいに傾斜しました。
 
 そして、大きな歴史的事件がおこります。
 
 ”武士” という土地を開拓し運営する ”実務者” たちの勢力が、不労所得者・貴族をしりぞけて、社会の指導的地位を獲得したのです。
 それは、一種の ”ブルジョア革命” だったのではないかと、わたしは思っています。
 13世紀の日本は、そこまで到達したのです。
 
 世界史に類のない ”武家社会” は、試行錯誤をくりかえしながら近世 ”江戸期” に完成を見ます。江戸時代の社会は、多くの矛盾や問題点もかかえながら、一面ではきわめてバランスのとれた平和社会・エコ社会だったことが、近年では認められるようになってきました。
 
 21世紀を迎えた現在、グローバルスタンダードを詐称するアメリカローカルも、ほころびを見せ始めているようです。
 行きづまりを乗りこえるヒントは、日本の歴史の中にこそ隠されているのではないでしょうか?


【リンク】

退廃のロジックの名物キャラクター「冴子さん」
日本社会問題研究所二課・エッセイストの糞


 歴史の輪ッ子
   日本史世界史不問の歴史系サイトサーチエンジン。トラックバックセンターも併設。

46 箸墓古墳と巫女王 (その1)

 アマチュア考古学マニアの吉野和人くんと桜井日美子さんが、なにやら熱心に議論しているようです。

吉野 「最近、歴博(国立歴史民族博物館、千葉県佐倉市)の研究グループが、箸墓古墳の築造年代についての発表を行ったよね」

桜井 「放射性炭素による年代測定によって、奈良県桜井市の箸墓古墳の築造年代が西暦240〜260年であることが科学的に立証されたという、あれね。で、あなたはどう思うの? だいぶ言いたいことがありそうな顔だけど」

吉野 「あるねえ。いろいろと細かい疑問点も多いけど、あの発表では『箸墓古墳が卑弥呼の墓である可能性がかなり高まった』というようなことを言っている。ちょっと乱暴だと思うし、はじめから邪馬台国畿内説の方向に話を引きよせようとして、意図的にデータを操作しているように思えるんだ」

桜井 「箸墓については、そんなに詳しく知っているわけじゃあないけど・・・・・ あれが卑弥呼の墓じゃないかって言う説は昔からあるわよね」

 吉野くんは、日頃からけっこうガチガチの「邪馬台国九州説論者」です。一方の桜井さんは、古代史関係の本をよく読んでいますが、邪馬台国の話はふだんはあまりしません。ただ、吉野くんと話すときには、彼への対抗意識か面白がってのことかはわかりませんが、「畿内説」寄りに立って意見を言うことが多いようです。

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45 日本が海外に出兵する時 古墳時代編(一)

《日本列島と戦争(その4)》

1.東アジアの激動
 紀元3世紀。日本列島では、弥生時代から古墳時代に移行した時代です。
 このころから、東アジアの情勢は激動の時代をむかえます。
 その背景として、この地域を長く支配した超大国・漢王朝が内乱のため衰退してしまったことが大きな要因としてあげられます。
 その結果、朝鮮半島と日本列島では、4つの勢力が台頭しました。

 朝鮮半島の高句麗・百済・新羅、日本列島の大和です。

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44 羽生義治のゲノム

1.羽生義治の将棋革命

「何と言えばいいのか、今の私たちがやっていることって、ある種、学術的な感じもするときがあるんです。棋士の人たち、ゲノムかなんかの解析をやってるんじゃないか、と思うときもあります」

 将棋界の第一人者、羽生義治さんの言葉です。
 「ゲノム」とは、「遺伝情報」。
 「棋士」は、現在、将棋の世界で活躍するプロ棋士たちです。

 上の言葉は、梅田望夫さんの近著、『シリコンバレーから将棋を観る 羽生義治と現代』から引用しました。
 『ウェブ進化論』の著者として知られる梅田さんですが、実は熱烈な将棋ファンらしいですね。今回この本を読んで、はじめて知りました。

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43 悪魔のマーチンゲール

 ギャンブルの世界には、「必勝法」という神話がつねに存在します。

 例えば、つぎのような話を聞いたら、どう思いますか?

 コインをほおって、裏が出るか表が出るかで賭けをするとします。
 あなたは。まず1万円を賭けます。勝てば2万円の払い戻しが得られますが、先に1万円を投資していますから、差し引きで1万円のプラスですね。負ければ賭けた1万円が没収されます。この場合は、1万円のマイナスです。

 たいへんシンプルな賭けです。
 こんな簡単な賭け事に、必勝法なんてあり得るのでしょうか?

「それが、あるのさ」

 悪魔がそう囁きます。

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